インターネット上で話題になった逆間接四足歩行ロボット・
ビッグドッグを開発した米
Boston Dynamics社が、今度は二足歩行ロボットを開発しました。その名もPETMAN(ペット人間)。人間と同じように、かかとから足を地面につき、つま先を蹴って足を地面から離し歩行することが特徴。横から押されても転ばずに姿勢を回復する能力を持っています。歩行速度は、3.2mph(時速5.1km)。
二足歩行ロボットではあるがヒト型ロボットではない
PETMANの足形状は、
鳥型モデル、
恐竜型モデルと呼ばれているもので、人間の直立モデルに比べて重心のバランスが取れているので、簡単に二足歩行を実現できます。また、PETMANには上半身や腕がありません。電源が外部にあるため、体に電気ケーブルが接続されており、転倒防止用にロープがつけられています。そのため、ランニングマシンの上を歩くことしかできません。かかと接地つま先蹴りの歩行は、PETMANが初めてではなく、早稲田大学の
WABIAN-2Rが先に実現しています(
踵接地・爪先離地動作を伴う歩行においての足部動作詳細 1・
足部動作詳細 2)。5.1km/hという歩行速度は、アシモの6km/hの走行速度や、トヨタパートナーズロボットの7km/hの走行速度におよびません。PETMANの鳥型二足歩行モデルは、二足歩行だけを行うなら既存の二足歩行ロボットよりも安定性に優れていますが、ヒト型ロボットを製作するには、直立二足歩行を実現する必要があります。
ヒト型ロボット開発の意義
二足歩行ヒト型ロボットを開発する意義は、ヒト型ロボットが、人間社会において究極の汎用性を備えているからです。人間界には、階段やハシゴ、縄、池の飛び石など、人間の二足歩行を前提にした道があり、そういった道を移動するには、二足歩行ができる必要があります。特にハシゴや縄をつたって上り下りするには、直立二足歩行人型ロボットでなければ難しいです。さらに、人間は、足をユーザーインターフェースとしても使用しています。自動車のペダルや自転車のペダルを操作するには、人間と同じ足が必要です。高所での作業、例えば、電柱に足を絡み付けて電線を修理するといった場合にも、人間の足が必要になります。このように、二足歩行ヒト型ロボットは、人間と同じ肉体活動ができる点に最大の利点があります。
汎用性ではヒト型ロボットが優位
PETMANが採用した鳥型二足歩行モデルは、二足歩行時の姿勢安定力には優れていますが、ヒト型二足歩行ロボットが持つ人間界での汎用的動作には向きません。歩行ロボット開発の目的を不整地での移動とするか、肉体労働の代替とするかでPETMANの評価は変わりますが、将来性の面では、まだASIMOに代表されるヒト型二足歩行ロボットに一日の長があります。
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